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大貫 敏彦; 吉田 崇宏*; 尾崎 卓郎; Samadfam, M.*; 香西 直文; 湯葢 邦夫*; 三頭 聰明*; 笠間 武史*; Francis, A. J.*
Chemical Geology, 220(3-4), p.237 - 243, 2005/08
被引用回数:52 パーセンタイル:70.55(Geochemistry & Geophysics)6価ウランの微生物及びカオリナイトとの相互作用について、吸着,脱離実験を行った。その結果、ウランはカオリナイトに比べて微生物表面官能基に強く吸着することがわかった。さらに、微生物とカオリナイトとの混合物へのウランの吸着実験を行い、ウランが微生物に選択的に吸着していることを電子顕微鏡による分析から明らかにした。選択的吸着には微生物表面のリン酸基が関与することが示唆された。
笹本 広; 油井 三和; Randolph C Arthu*
JNC TN8400 99-074, 84 Pages, 1999/12
東濃鉱山における原位置試験は、主に第三紀堆積岩を対象として行われている。新第三紀堆積岩中の地下水の地球化学的調査により、主に以下の点が明らかになった。地下水の起源は、降水である。深部の地下水は、還元性である。第三紀堆積岩下部の地下水は、14C年代測定から、13,000年15,000年程度の年代が推定される比較的古い地下水である。比較的浅部の地下水はCa-Na-HCO3型であるが、より深部になるとNa-HCO3型になるような深度方向での水質タイプの変化が認められる。上記の様な地球化学的特性を示す東濃鉱山の第三紀堆積岩中の地下水に関して、地下水の起源と地下水-岩石反応の進展を考慮した地球化学平衡モデルをもとに、地下水水質のモデル化を試みた。その結果、土壌中での炭酸分圧の値、岩体中での以下の鉱物を平衡と仮定することで地下水のpH、Ehおよび主要イオン(Si, Na, Ca, K, Al, 炭酸および硫酸)濃度について、実測値をほぼ近似することができた。・土壌中での炭酸分圧: logPco2 = -1.0・岩体中での平衡鉱物:玉随(Si濃度)、アルバイト(Na濃度), カオリナイト(Al濃度), 方解石(Caおよび炭酸濃度), 白雲母(K濃度), 黄鉄鉱(硫酸濃度、Eh)しかしながら、東濃サイトの地質情報は、地下水水質形成モデルを構築する上で必ずしも十分であるとは言えない。特に、より詳細な鉱物データ(たとえば、斜長石、粘土鉱物や沸石に関する詳細なデータなど)は、モデルを改良する上で必要である。したがって、モデルの中で考慮する主要な反応については、再検討する必要があるかもしれない。本報告書では、代替モデルの一つとして、室内での岩石-水反応試験結果をもとにイオン交換平衡定数を求め、イオン交換反応を考慮した地下水水質のモデル化も試みた。しかしながら、イオン交換反応を考慮したモデルについては、今後さらに検討を要する。
高橋 嘉夫*; 薬袋 佳孝*; 木村 貴海; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 234(1-2), p.277 - 282, 1998/00
被引用回数:37 パーセンタイル:91.63(Chemistry, Analytical)フミン酸共存下でのIII価ユウロピウムとアメリシウムのカオリナイト、モンモリロナイトへの吸着挙動を研究した。この系で、フミン酸もまたカオリナイト、モンモリロナイトに吸着した。速度論的研究は、Eu(III)とAm(III)が水溶液中または粘土鉱物上でフミン酸錯体を形成することを示す。これらIII価イオンとフミン酸の吸着のpH依存性は支持電解質濃度Cs=0.02及び0.1Mで一致した。これはpH3~10でフミン酸錯体がEu(III)とAm(III)の主要な化学種であることを示す。Cs=0.7Mでフミン酸は顕著に吸着し、Eu(III)とAm(III)もCs=0.02及び0.1Mのときよりも固相に吸着した。これらの結果はフミン酸で被われた粘土鉱物のような擬コロイドが環境中におけるIII価イオンの収集体として重要であることを示す。III価イオンの挙動にとってフミン酸の挙動が重要なので、粘土鉱物へのフミン酸の吸着を検討した。
佐藤 努; 柳瀬 信之; I.S.Williams*; W.Compston*; M.Zaw*; T.E.Payne*; P.L.Airey*
Radiochimica Acta, 82, p.335 - 340, 1998/00
クンガラウラン鉱床の風化岩石中でのウラン系列核種の年代測定と再分配機構を調べるために、高分解能イオンプローブ(SHRIMPII)によるウラン同位体その場分析を行った。分析した風化岩石は、地下水によって流出したウランを多く保持している二次鉱床中心部の試料で、主に鉄鉱物、カオリナイト、石英からなる。分析は、それぞれの鉱物中の直径30ミクロンのスポット数か所において行われた。その結果、鉄鉱物中のU/U放射能比は、5段階抽出法(SE)で求めたものとほぼ一致するが、それと近接するカオリナイト・石英中の比は、SEよりも高い値を示した。これは、反跳によるThの鉄鉱物から隣接するカオリナイト・石英への移動によるものと結論づけた。SEから得たデータは間接的な証拠であるのに対して、SHRIMPによる測定は直接的なその場のデータであるので、本研究により初めて反跳の直接的な証拠が示されたことになる。
鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 97-001, 57 Pages, 1997/03
日本産出の分散モンモリロナイト微粒子へのAm3+ならびにランタニドイオン(Ln3+:Nd3+、Eu3+、Gd3+)の吸着特性を測定した。吸着比のNa+濃度依存性より、Na+とAm3+あるいはLn3+との吸着反応の化学両論関係は、イオン交換反応の理論と同様に1:3であることがわかった。また、吸着は水和自由エネルギーにより整理できることがわかった。Na+とCa2+による吸着反応への競争の影響を検討し、選択係数ならびにLangmuir型吸着等温線により議論した。Am(III)およびNp(V)の移行挙動をカラム実験により測定し、カオリナイトコロイド粒子との疑似コロイド形成による影響を検討した。カオリナイトコロイド粒子が移行可能な化学条件では、AmもNpもともにある割合の成分がトリチウム水の移行速度と同程度の速度で移行することがわかった。また、コロイドの吸着・脱着挙動は、ファンデルワールスポテンシャルと電気2重層ポテンシャルを考慮することで予測できる可能性が示された。
新津 好伸*; 佐藤 正知*; 大橋 弘士*; 坂本 義昭; 大貫 敏彦; 長尾 誠也; 村岡 進
Journal of Nuclear Materials, 248, p.328 - 332, 1997/00
被引用回数:37 パーセンタイル:90.98(Materials Science, Multidisciplinary)放射性核種の地層中での吸着挙動は、地下水組成、特に有機物の存在により影響を受ける。そこで本研究ではフミン酸がNp(V)のカオリナイトへの吸着に及ぼす影響について調べた。その結果、pH8以下ではNp(V)の分配係数はフミン酸濃度とともに増加するが、pH8以上では逆に低下することがわかった。この現象は、フミン酸がカオリナイトへ吸着することによるNp(V)-humateのカオリナイト表面での形成反応と、溶液中でのNp(V)-humateの形成によるNp(V)の吸着の低下による結果であることを明らかにし、これらの反応がpHとフミン酸濃度により大きく支配されていることを示した。
not registered
PNC TJ1600 96-004, 78 Pages, 1996/03
表層土壌圏における核種動態等をより正確に理解するために、まず土壌を構成する粘土鉱物の構造を理解し、土壌圏における核種動態の媒体である水の熱力学的性質を明らかにした。土壌鉱物としてナトリウムモンモリロナイトを対象とし、この中での水の相対部分モルギブス自由エネルギー、エンタルピーおよびエントロピーを含水率の関数として決定し、X線回折の結果と合わせて、土壌中の水の存在形態を決定した。土壌中の水の存在形態は土壌の含水率に依存して変化した。モンモリロナイトにおいては、層間の1層の水和は0ないし16重量%の含水率の範囲で起こり、2層の水和は16ないし27重量%の範囲で、また3層の水和は27重量%以上の含水率で起こった。間隙水は第3の領域にのみ共存した。次に、表層土壌圏に普遍的に存在する天然有機物のフミン酸がストロンチウムの分配に与える影響を検討した。Srのフミン酸錯体がSrHAとSr(HA)2であることを実験によって特定し、それらの安定度定数と熱力学関数を決定し、その結果を基に錯形成の機構を考察した。また、カオリナイトに対するストロンチウムの分配に対するフミン酸の影響を検討した。カオリナイトに対するストロンチウムの分配に対してフミン酸の影響は40ppm以上のフミン酸濃度で見出され、40ppm以上ではフミン酸濃度が高くなるほどSrの分配係数が低下した。また、この影響はpHが高くなるほど顕著であった。最後に、土壌圏における放射性核種の移行挙動の評価のための基礎研究の一環として、圧密ナトリウムモンモリロナイト中のナトリウム、セシウムおよびストロンチウムの見かけの拡散係数とその活性化エネルギーを決定した。
村上 隆*; 磯部 博志; 佐藤 努; 大貫 敏彦
Clays and Clay Minerals, 44(2), p.244 - 256, 1996/00
被引用回数:55 パーセンタイル:84.43(Chemistry, Physical)オーストラリア、クンガラウラン鉱床におけるウランの再分配機構解明のため、鉱床周辺地域の母岩中に含まれる緑泥石の風化過程について調べた。その結果、緑泥石は風化が進行するにつれて、緑泥石/バーミキュライト混合層鉱物、バーミキュライト、カオリナイトと変化し、その変化の過程で、鉄やマグネシウムを容脱していることが明らかとなった。また、ここで溶脱された鉄は、鉱物粒子間や片理に鉄鉱物として再結晶化し、固化帯における主成分鉱物にまで進化していることも明らかとなった。放射性核種の地層中での移行を定量的に評価する場合には、本研究で示されるような地質学的な時間スケールでの鉱物の変質を十分考慮する必要があると考えられる。
not registered
PNC TJ1602 95-002, 52 Pages, 1995/03
2次元剪断流れ場中における帯電したコロイド粒子の拡散挙動を、モンテカルロ計算によって検討し、壁と粒子がともに帯電することによる拡散挙動への影響を明らかにした。壁と粒子が同符号に帯電する場合、電荷の効果を考慮することは粒子の拡散挙動に重大な影響を及ぼし、考慮しない場合に比べて移行距離が増加した。同時に、ラテックス粒子を用いてthrough-diffusion法による拡散実験を行った結果、実測された実効拡散係数はStokes-Einstein式より計算される実効拡散係数に比べて大きくなることがわかった。さらに、石英表面に付着したカオリナイト粒子の脱離挙動をカラム法によって検討し、pHとイオン強度の影響を明らかにした。実験結果は、ファンデルワールスポテンシャルと電気2重層ポテンシャルを考慮した計算結果と一致した。
高橋 嘉夫*; 薬袋 佳孝*; 木村 貴海; 目黒 義弘; 富永 健*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.189 - 196, 1995/00
pH4.8から8、支持電解質濃度0.02から1mol/lで測定した、Eu(III)及びAm(III)とフミン酸の錯生成定数は、フミン酸錯体が水溶液系で主要な溶存種であることを示す。カオリナイト・水溶液間のEu(III)とAm(III)の分配係数は、溶液中のフミン酸により強く影響をうけた。フミン酸の吸着は鉱物表面へのアクチノイド(III)の定着を支配する要因として重要であると考えられる。
藤田 朝雄; 五月女 敦; 原 啓二; 納多 勝
PNC TN1410 92-053, 30 Pages, 1992/01
地層処分の性能評価のためのニアフィールド環境条件を明らかにする観点から人工バリアの構造力学条件に係る緩衝材の浸潤・膨潤変形挙動・緩衝材中のオーバーパックの沈下挙動の概略的な評価検討を行った。緩衝材の浸潤・膨潤変形挙動をモデル化し、それを用いて人工バリアにおける緩衝材の浸潤・膨潤変形挙動の解析検討を行い、オーバーパック周りの緩衝材が飽和に達する再冠水時間及び浸潤にともなう膨潤圧力の経時変化を示した。また、緩衝材中の間隙水の排水を考慮した2種類のモデルを用いて緩衝材が飽和した後の長期的なオーバーパックの沈下解析を実施、緩衝材はオーバーパックの空間的な位置を保持し得るという結果を得た。
高山 裕介; 菊池 広人*; 山本 陽一*; 後藤 考裕*
no journal, ,
オーバーパックの自重の作用による緩衝材の長期変形挙動に関しては、従来は粘性的に増加する変形量も含めて時間の経過とともに収束と考えられていたが、緩衝材仕様のベントナイトに対して複数年にわたる圧密試験を行った結果、二次圧密による変形が加速的に増加する傾向が報告されている。そこで、われわれはベントナイトの二次圧密加速挙動の現象解明に向けて、二次圧密加速挙動の材料依存性を調べるための長期圧密試験を実施している。本報告では、二次圧密加速挙動の材料依存性を調べる際の事前検討として、対象材料に用いるカオリナイトの透水性, 膨潤特性, 圧密特性といった基本特性を室内試験により把握し、膨潤性粘土であるクニゲルV1の基本特性との相違点を分析した。